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思うは招く

【読書メモ】「超」勉強法

今回読んだ本

概要

  • おもしろいことを勉強せよ
  • 完璧主義はダメ
  • はやく全体像を理解し、あとから戻れ

学力と得点力は別もの

「本当の理解力をつける」と「テストで得点を取る」は別もの。 ニュートンやアイシュタインは学校の成績はよくなかったが、自分で勉強できる天才だった。普通の生徒には参考にならない。

しかし、能力の差は努力とノウハウによってかなりの程度まで克服できる。運動能力の差や音感の差より克服しやすい。

そんなノウハウを述べているのが、「超」勉強法。

「超」勉強法:3つの原則

1、おもろしいことを勉強する

基本的には、自分がおもしろいと思うものを勉強するべき。好奇心が満たされると、誰でも楽しいと感じる。これは人間が本来持つ性質だ。

学校の勉強が楽しくない場合が多いのは、教材や教え方が学生の好奇心を刺激していないから。 とはいえ、教える側に期待してもダメ。自分で積極的に対応する必要がある。

では、どうすべきか? 大きく3つある。

  • 学ぶ方法を変える
  • 自分で教材を選ぶ
    • 指定された教材が自分機合っているとは限らない。自分で探してみて、良いと思ったらそれから学んでもいい。
  • 知識を増やす
    • 人は、ある程度知っていることについて新しい知識が得られると、興味を抱き、より深く学びたくなる。旅行に行く時、旅行先の歴史を調べておくとさらに楽しくなる。

2、全体から理解する

一般的には、勉強は「基礎が重要だから、段階を踏んで理解する」「基礎までもどる」ことが重要と言われる。 著者はこれに反対している。 部分を学ぶより、まず全体像を理解する。 そのうえで重要な点をあぶりだし、部分を集中的に理解する。

そうすることで、関連性を理解でき、全体的に学べる。 基礎は退屈で難しい。わからなければ飛ばし、興味のおもむくままに進む。

3、8割までをやる

一応のことを学べたら、先に進む。時間があれば、あとから戻る。 完璧主義になってはいけない。 残りの2割は難しいからだ。

中途半端にしてもいいわけではない。8割までは中断せずにやりとげる。

どこまでが8割なのか?については、先に述べた全体像を理解して、自分で考えることが大切。

時間があれば、戻ってきて10割にまで仕上げるべき。 しかし、ほとんどの場合は時間がないので、とにかく先へ進むことが重要。

目標は低すぎず、高すぎず。

目標は具体的、かつ自分のレベルにあったものであるべき。 いきなり「メジャーリーガーになる」なんて目標は遠すぎて意欲が湧かない(意欲が湧けばOKだが)。 まずは「今のチームで、この分野で1番になる」といったところから目標をセットする。クリアするごとに目標を修正して、高めていく。

「非常に強く望む」ことが重要

強く望めば、ある種のマインドコントロールのようになる。 強く望むため、目標は具体的でなければならない。そのために、イメージすることが助けになる。

東大に行きたいなら、まず東大キャンパスまで行き、中を歩いてみるイメージをする。実際に行ってみるのがベスト。

どこか働きたい会社があるなら、そこで働くイメージを強烈に持つ。

勉強法

丸暗記法

英語はひたすら音読するのがとても効果的。

単語の意味をひととおり辞書で調べたら、あとは音読。 文法のことは考えず、文法を暗記しようとしない。 単語帳も作らない。言葉をそのまま全体として受け入れる。

数学の勉強が疲れたら、気分転換のつもりで音読をすればいい。 著者は教科書を20回読んで勉強した。

著名人の演説を読むといい。原稿なので推敲されていて文法的に問題はないし、きれいな表現が使われている。

単語帳は無意味

単語はそもそもバラバラに覚えるものではなく、文脈の中で覚えるもの。 文脈によって単語の意味が変わる。

学生なら、教科書を丸暗記する。 社会人なら、自分が勉強したい分野の書籍を英語で読む。その分野や専門用語も覚えられて一石二鳥。

教科書に限らず、小説など劇の名場面でもいい。日常的な英語ではないが、文学作品をもとの形で味わえるのはすばらしいこと。

日本の間違った英語の教え方「分解法」

学校の授業のように、文法を分解して教えるのは「英語ができないようにするための方法」。

リスニング能力はつかず、単語も覚えられないし、実用にも向いてない。退屈だし、日本語と英語を対応させてしまうのでダメ。英語は英語として覚えないとダメ。

発音にもこだわってはいけない。日本語訛りでも十分に通じる。もちろん基本的な発音は習得すべきだが、エルとアールの発音にもいつまでもこだわってはいけない。

パラシュート勉強法

数学では、「基礎から順に理解しつつ先に進め。わからなくなったら基礎に戻れ」という考えが一般的。

しかし、必ずしもそうではない。

わからないことが出てきたら、基礎に戻って学ぶのでは時間がかかりすぎる。退屈だし、挫折しやすい。 そんなときは、途中の過程を省略しても良い。

山に登って素晴らしい景色が見たいなら、麓から登るのではなく、ケーブルカーでその場所まで行け。もしくはパラシュートで飛び降りてしまえばいい。 「基礎を勉強してないからダメだ」などと罪悪感を感じてはいけない。

難しい数学にぶつかったら、百科事典などで調べて切り抜ける。

例えば数学を勉強していて、現在の項目がわからないのであれば、教科書に出ている例題だけを丁寧に勉強し、繰り返し解いて、覚える。 「それは何故か」というところは無視して、こういうものだと受け入れる。概念を頭で理解しても、その後の計算過程にはあまり役立たない。 計算をやっているうちに概念もなんとなくわかってくる。

これも全体像を先に理解すると、8割までやると言う超勉強法の基本原則に従っている。

どうしてもわからなかったら、無理しなくても良い。やがてわかる。 とにかく前に進めば、いつかわかる時がくる。

勉強に集中する方法

音楽を聞くなら、「意味がない音楽」にする。 メッセージ性の強い歌詞が込められた歌は脳のワーキングメモリが使われるので、勉強に集中できなくなる。

クラシックや海の音などがおすすめ。

感想

外国語の勉強法に関しては、完全に同意する。自分は英語が昔から好きで、得意科目だった。

やっていたことはNHKのラジオ英会話などのテキストを音読したり、音声を聞いていた。教科書も何度も音読して覚えた。日英辞書は使わず、英英辞典を使って単語の意味を調べた。はじめはかなりらつらかったが、慣れたらいけた。

これだけで英語のテストはいつもほぼ満点だった。高校入試は満点を取れた。 就活に役立つかなと思い、TOEICをあまり準備せずに受けたら845点だった。

パラシュート勉強法は、プログラミングの勉強法にも通じるところがある。 プログラミングを勉強していると、とにかくたくさんの概念が出てくる。

TCP/IP、REST、オブジェクト指向など、初心者を挫折させるには絶好の概念だ。

しかし、いろいろ勉強して気づいたのは、「今わからなくても、気がついたらわかっていた」ということがたくさんあるということ。 おそらく脳の働きなのだろうけど、やはり全部を理解していなくてもとにかく先に進むのが大事なんだろう。

とくにネットワークについては、わからなくてもとにかく全体像を理解したほうが早い。

1995年にこれを書いたのがすごいなぁ。

アクション

  • プログラミングの勉強で、どうしてもわからないところがあれば、とりあえず考え方や実装法を暗記するかメモに残し、先に進む
  • 1日1つ、英語を丸暗記する勢いで20回音読する。素材はネットの記事でも誰かの発言でもなんでもいい。音読したものはブログにアウトプットする